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【美しき愚かものたちのタブロー】国立西洋美術館を作った男たちの壮大なストーリー どこまでが史実!?

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日本人のほとんどが本物の西洋の絵画を見たことのない時代に、「日本に美術館を創りたい」という信念のもと、松下幸次郎を中心に命をかけた男たちがいた。
キュレーターの経験を持つ原田マハさんだからこそ描けた日本×西洋アートの壮大な奇跡の物語はいかがですか?


ルーブル美術館に強盗が入ったニュースにびっくり😲しましたね。
それも白昼堂々と☆
この時代にルパンの世界みたいなことが起こるなんて!!

学生時代に卒業旅行でヨーロッパをまわり、ルーブル美術館の壮大さに圧倒されたことが懐かしく思い出されます。
おとなになった今、もう一度行ってみたい。
また違った景色が心に響くんだろうな。


上野の国立西洋美術館の〖モネ 睡蓮のときに娘と行ったことが記憶に新しいですが、この本を読んでから行っていたら、もっともっと素晴らしい時間が過ごせたのではないかとちょっと後悔しています。

耳慣れない言葉ですが、〖タブロー〗とは絵画のこと。

国立西洋美術館ができる祖となった〖松方コレクション〗に焦点をあてて、史実に基づきながら、壮大なフィクションを作り上げる原田マハさん真骨頂のこの秋おすすめの本をご紹介します。

【美しき愚かものたちのタブロー】  原田 マハ

STORY

日本に美術館を創りたい。
ただ、その夢ひとつのために生涯を懸けた不世出の実業家・松方幸次郎。
戦時下のフランスで絵画コレクションを守り抜いた孤独な飛行機乗り・日置釭三郎。
そして、敗戦国・日本にアートとプライドを取り戻した男たち――。
奇跡が積み重なった、国立西洋美術館の誕生秘話。
原田マハにしか書けない日本と西洋アートの巡りあいの物語!

日本人のほとんどが本物の西洋絵画を見たことのない時代に、ロンドンとパリで絵画を買い集めた松方は、実はそもそもは「審美眼」を持ち合わせない男だった。
絵画収集の道先案内人となった美術史家の卵・田代との出会い、クロード・モネとの親交、何よりゴッホやルノアールといった近代美術の傑作の数々によって美に目覚めていく松方だが、戦争へと突き進む日本国内では経済が悪化、破産の憂き目に晒される。道半ばで帰国した松方に代わって、戦火が迫るフランスに単身残り、絵画の疎開を果たしたのは謎多き元軍人の日置だったが、日本の敗戦とともにコレクションはフランス政府に接収されてしまう。だが、講和に向けて多忙を極める首相・吉田茂の元に、コレクション返還の可能性につながる一報が入り――。

世界でも有数の「美術館好き」と言われる日本人の、アートへの探究心の礎を築いた男たち。美しい理想と不屈の信念で、無謀とも思える絵画の帰還を実現させた「愚かものたち」の冒険が胸に迫る。

引用  文藝春秋 より

どこまでが史実?


松方幸次郎・吉田茂・田代雄一・日置釭三郎の4人の男たちを主要人物に据えて、3つのパートで物語が構成されています。
そして、物語の大筋は全て史実です。

  • 1953年 日仏間で松方コレクションの返還交渉が始まる
  • 1921年 松方幸次郎が数々の名画に出会う
  • 1959年 西洋美術館が設立される

この4人の登場人物の中で、田代雄一は、唯一架空の人物です

架空の人物ではありますが、西洋美術史家の草分けである矢代幸雄氏の業績と経歴をベースに作られた人物像だということです。
実際に矢代氏ははパリで名作を購入する松方にアドバイスをしていたという事実がありました。
原田さんは、インタビューの中で尊敬する矢代幸雄氏やご遺族に失礼がないように配慮しながら、田代として史実とは違った思い切った行動をとらせたと語っています。

登場人物のキャラクターや、会話などがリアルに感じるのは作者の力!
もしかしたらそんな会話もしていたのかもしれませんね。

以下の内容もすべて史実のとおりです。

  • 松方幸次郎が、本物の芸術に触れたことのない日本の人々のために美術館の設立を夢見ていたこと
  • 第二次大戦中に松方の部下だった日置釭三郎が「松方コレクション」をロダン美術館からパリ郊外のアボンダンに疎開させて命がけで守ったこと
  • 最終的に「松方コレクション」が日本に寄贈返還されて戻ってくる
  • サンフランシスコ条約を締結した吉田茂が、実は「松方コレクション」の返還にも深く関わっていた

田代雄一のキャラクターは物語の核を作っているとも言えますが、全体のストーリーは史実に基づいて構成されているため、大河ドラマを見ているかのようなスケールの大きさと、全身全霊で生き抜いた男たちの人生に感動し、後味の良い爽やかな小説なので、男性にも女性にもお勧めします。

戦争が何度もあったこの時代の中で破壊されずに現存できた芸術品の数々は奇跡と言ってもいいかもしれませんね。
見ることの叶わなかった名画も相当な数があったのでしょう。。。

国立西洋美術館は、フランス政府から日本へ寄贈返還された〖松方コレクション〗を保存・公開するために、1959年(昭和34年)に設立されました。

この美術館が作られるにはこんな時代背景とドラマがあったのかと思うと、次に行く時にはまた違った気持ちで美術品を鑑賞できそうです。

原田マハさんってどんな人?

原田マハさんは、美術館で働くキュレーターとしての経験を持ち、美術品に関する本物の知識を持った人なのです。

原田マハ公式ウェブサイトを読んでみたら本当に面白い経歴なのでちょっと覗いてみてほしい。

ざっくり過ぎる紹介で恐縮ですが、
関西学院大学文学部卒業・グラフィックデザインの専門学校卒業・早稲田大学第二文学部の美術史科を学士受験して学芸員の資格を取得など、すごい努力家であることがうかがえます。

小さなころから絵をかくのが好きで、ピカソをライバル視したり、アンリ・ルソーの絵をヘタだと言ったり(笑)

かと思えば、伊藤忠商事で「アート、文化に関するコンサルティング」を行い、顧客だった森ビルの社長から頼まれてチーフコンサルタントとして「森美術館」の構想策定したり!

原田さんご本人にもとても興味が湧いてしまいました^^

原田マハさんの小説には、たくさんの有名なアートが作中に出てきますが、そのたびに、スマホで検索して「あー、これかぁ!!」と確認しながら読んでしまいます。

画家の名前は知っているけど、絵画の表題まではしっかり覚えていない人も多いはず。
(わたしみたいに。。)
美術の教科書などで見たことがある作品も沢山出てきますので、それほど絵画に興味がない人も、もしかしたらこの本がきっかけで、原田マハさんの本を読み始めてハマってしまうかも!?
(わたしみたいに。。)

読書の秋・芸術の秋にこんなにピッタリな本はないかも!?
是非読んでみてくださいね。

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